RCT/勝手に診療報酬考察
5 第1節に掲げられていない処置のうちラバーダム防湿法及び簡単な処置の費用は基本診療料に含まれ算定できないが、特殊な処置の費用は、その都度当局に内議し、最も近似する処置として準用が通知された算定方法により算定する。
通則より
冒頭に引用した通則はラバーダムについて記載したものです。
根管貼薬のコストは?
根管貼薬の診療報酬は28~46点(2019.8現在)
つまり280円〜460円ってことですよね。
これに再診料48点が加算されるのでおおよそ760円〜940円。
1000円にも満たない報酬で出来ることをしないといけません。
中には
「保険でもラバーダムをして自費診療と同レベルの治療が出来る」
とおっしゃる先生もいます。
ただね、それって赤字になってませんか?
赤字覚悟でやるのは正しい姿ではありません。
他の点数で採算を取ればいい?
これも違います。
あくまで1000円に満たない報酬の中で可能な限りいい治療を目指さなければいけません。
では根管貼薬の治療ですが
実は指定された方法はありません。
具体的にどのような流れでどの薬剤を使って〜などは全く指定がないんです。
つまりどういうことか?
ラバーダムを使うのも使わないのも自由だし、使用する材料も最低限認可がされているものであれば自由に使えるということですよね。
繰り返しになります。
私の考えですが、保険の診療とは診療報酬内で出来る限り最高の治療をすることだと思っています。
ですので、根管貼薬の治療では赤字だけれど他の治療でカバーできるから、ラバーダムを使って時間もきっちり使ってマイクロも使おうというのは間違えだと思います。
本来はどの程度のクオリティで治療を行うかは、歯科医師会などで決めてくれると助かるんですよね。
ラバーダムは使えるのか?
ではラバーダムを使った根管貼薬は診療報酬的に可能なのか?
私は原則不可能だと思います。
正確に言うと、根管貼薬自体が不可能だと思っています。
1000円くらいというと、どの程度時間がかけられるでしょうか?
場所やスタッフの数にも影響されますが
30分のアポイントは確実に不可能ですよね。
30分1000円としても1時間で2000円。とても人なんて雇用できないですし、家賃だって払えません。
15分のアポイントではどうか?
1時間で4000円になりますから、多少希望が見えてきましたね。
実際保険治療メインでやっている医院では15分のアポイントは当たり前のようです。
当然治療レベルは下がります。
まとめ 根管貼薬はどうしたらいいのか?
先人たちの保険治療を見ていると答えは出ていると思います。
現状の保険制度では15分のアポイントにした上で、可能な限り材料はケチる。これだけが解決作です。
ですが、それでは面白くないので私なりにちょっと考えてみます。
黒字は諦める
いっそのこと、この治療での黒字は諦めます。ラバーダムも使いますし、ニッケルチタンも使います。スピートも重要です。可能な限り1回で治療を終わらせます。
それが可能なら、無駄な赤字は減らせることかと思います。1回だけは赤字で耐えようということです。
一部自由診療で行う
根管貼薬の時に使う、ラバーダムやニッケルチタン、マイクロなどの使用券を販売する。あくまで券なので混合診療にはなりません。パチンコ屋とほぼ同じ思考ですので、お上がダメと言ったらダメなので自己責任でお願いします。
上部構造を自費にする
上部構造が自費の場合はその治療代の中に、根管貼薬の赤字分を包括する方法があります。単純にセラミックを10万円でやっている医院なら15万くらいで行えばいいでしょう。その上で、一部頭金として5万円ほどもらっておけば全く問題がありません。
あくまで建前はセラミック代としてもらうわけですからね。
まぁ以上の3つが解決策でしょうか。他にも意見があればどなたか教えてください。